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 米国が5日に再開したイラン産原油に対する禁輸制裁は、経済難にあえぐイランの人々をさらに追い詰める。8月に第1弾の制裁が再発動されて以降、インフレ率が上昇し続け、国民生活を圧迫してきた。首都テヘランでは臓器売買で生活費を得ようとする人々も増えているという。

 テヘランの病院前の壁や病院内のトイレなどには、臓器の購入者を募る手書きの貼り紙などが数十枚あった。イランメディアなどによると、イランでは「イラン腎臓財団」に登録して移植許可を得れば、提供後に財団から1億8千万リアル(約48万円)の謝礼が出る。ただ、早期の移植を求め、貼り紙やネットを通じて個人間で腎臓を売買し、財団の謝礼以外に代金を得る例が絶えないという。

 臓器移植を専門にする病院で働くジャバッド・ミルサリムさん(23)は「病院内外で貼り紙を毎日はがすが、翌日には取引を希望する貼り紙だらけになる」。同病院の関係者によると、臓器移植は昨年比で2倍に増えたという。20代~30代の男性が生活のために腎臓を提供するケースが多いという。

 テヘランで電器店を営むベフルーズ・アフマディさん(44)は10月初旬、「3億リアルで腎臓を売る」という貼り紙を出した。トランプ米大統領が核合意の離脱を宣言した5月以降、経済の悪化で客足が激減。月収は3千円程度に落ち込み、高利貸などに借りた約80万円相当が返済不能に。利息の督促に追われており、今月末までに元本を返せなければ訴追され、収監されるという。

 アフマディさんは妻(42)と長男(9)、次男(2)の4人暮らし。「家族の未来のために売らなければならない」と涙を流し、「トランプはイランの国民ではなく政府や体制が標的と言うが、苦しんでいるのは国民だ」と語った。

 5日に再開された第2弾の米制…

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