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 未返還の奨学金をめぐり、日本学生支援機構が保証人に半額の支払い義務しかないことを伝えずに全額請求している問題で、奨学金問題対策全国会議(共同代表=大内裕和・中京大教授ほか)は8日、全額請求をやめ、これまでに半額を超えて回収した分を保証人に返すよう機構に求める緊急声明を発表した。

 民法では、複数の保証人がいる場合、各保証人は等しい割合で義務を負うとされる。この「分別の利益」を奨学金の人的保証制度(父か母が連帯保証人、4親等以内の親族1人が保証人)に当てはめると、保証人の支払い義務は2分の1になる。

 機構が分別の利益について「法解釈上、保証人から主張すべきもの」としている点について、声明は「保証人が主張するか否かは関係ない」「機構はもともと、法律上2分の1の請求権しかない」とし、「義務なき支払いを求める行為で、極めて不当」と批判している。その上で、保証人が返還を求めない場合を除き、返還中か返還済みかを問わず、すでに回収したうちの半額を超える分を返すことなどを求めている。

 同会議事務局長の岩重佳治弁護士は会見で「機構は対象となる保証人の人数や回収の実態を明らかにすべきだ。機構を監督する文部科学省にも猛省を求めたい」と話した。同会議は今後、保証人向けのホットラインを設け、保証人から依頼があれば裁判で争う意向という。

 相談は、奨学金問題対策全国会議事務局(03・5802・7015)などで受け付けている。

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 機構は8日、取材に対し、分別の利益を認める範囲を改めて示した。すでに返し終えた人や裁判で返還計画が確定した人は対象にならない一方で、機構と返還計画に合意しても返還中の保証人らについては残金を半分に減額する。(諸永裕司)