[PR]

 一斗だるや一升瓶。どっしりしたその入れ物も、日本酒のうまさを引き立てる。電車の中や外出先でひっかけるカップ酒も、厚いガラスのカップ入りだ。そんな日本酒容器に、イメチェンの動きがある。「軽さ」をアピールする容器は、何を狙っているのか。

 容器は雪のように真っ白で、陶器のようにも見える。だが、手に取ると、その軽さに驚く。

 新潟県湯沢町の白瀧酒造が10月1日に発売した「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」(300ミリリットル)。1990年の発売以来、すっきりした飲み口が支持され、全国販売している銘柄だ。

 容器を提案したのは、印刷大手の大日本印刷。実は、ペットボトルだ。

 当初、白瀧酒造の高橋晋太郎社長は「ペットボトルは見た目が安っぽく、導入をためらった」と言う。だが、この容器は硬く、見た目の質感もしっかりしている。「いけるかもしれない」と感じた。

 最大の魅力は軽さだ。同じ容量の瓶と比べ、1本あたり200グラム軽い。軽ければ、輸送コストを減らすことができる。高橋社長は「将来的に輸出にも挑戦してみたい」と話す。

 ペットボトル容器入りの日本酒で、すでに輸出に乗り出している業者もあった。東京都内に店舗を置いている「はせがわ酒店」だ。昨年8月から販売を始めたペットボトル入りの日本酒を、米国やオーストラリアなどに試験的に輸出した。酔鯨(すいげい)酒造(高知県)など四つの酒蔵の商品だ。

 全体の重量だけでなく、積み重ねやすさも利点だ。はせがわ酒店広報担当の後藤みのりさんは「まだまだ取り組みは始まったばかりだが、将来性は十分」と言う。

 ペットボトル入りの日本酒については、一部の大手酒造会社が手がけるなどしたが、「安価なイメージ」などから定着しなかった。

 低迷する国内市場とは裏腹に、日本酒の輸出は増加傾向が続く。2017年の日本酒の輸出量は約2万3500キロリットルで、5年前より5割以上増えた。訪日外国人の増加で日本酒ファンが増えていることも一因で、輸出増がペットボトル入り日本酒の広がりにもつながりそうだ。

 ペットボトル入り日本酒の強みは、軽さだけではない。今までにない商品づくりの可能性も広がる。

 新潟薬科大学(新潟市)の応用生命科学部では、加熱処理しない「生酒」を常温で流通させる研究をしている。そのカギを握るのがペットボトルだ。

 常温で日本酒の品質を保つには…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら