拡大する
ホワイトハウスで記者団からの質問に答えるトランプ米大統領=ワシントン、ランハム裕子撮影
アメリカで4年ごとの大統領選のちょうど「中間」に実施される中間選挙は、大統領の「信任投票」といわれる。
米主要メディアは、上院では政権党である共和党が過半数を維持し、下院は野党の民主党が逆転して過半数を獲得すると報じている。こうした事態は、米国の有権者が過去2年のトランプ大統領の実績に合格点を与えたことを意味するのか。
米国史をひもとけば、政権発足後、最初の中間選挙ではたいてい政権党が議席を減らしてきた。まだ開票途中だが、今のところは「まあまあの出来」と言うことができるだろう。
一方、ほぼ半世紀ぶりの低失業率など、米国経済はすこぶる好調だ。それだけを考えれば、共和党は上下両院選で圧勝してもおかしくないはずだった。
結論から言えば、トランプ氏は負けて、勝った。
米国民の幅広い信任は得られなかった。だが、もともと自分を支持してきた層ではさらなる信任を勝ち取った。
言葉を換えれば、米国社会の分断がよりくっきり浮かび上がった選挙といえよう。
そもそもトランプ氏に対して逆風が吹く事情には事欠かなかった。
高官が相次ぎ辞任するなど、トランプ氏の政権運営は混迷の極みにある。女性やマイノリティーを侮蔑すると受け取られる放言やウソの数々。元ポルノ女優に不倫の口止め料を支払った疑惑や脱税疑惑などのスキャンダル。北朝鮮やロシアの強権リーダーとの親密ぶりを自演する一方で、通商問題では日本やカナダなど同盟国であっても容赦なく高関税の脅しをかける居丈高な政策――。
日本人ならずとも、よくこれで米国の大統領が務まるものだと首をかしげるのは自然な反応だ。実際、大統領に就任以来、トランプ氏の支持率が5割を超えたことはない。
しかし、「共和党支持者」だけ…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。
残り:2917文字/全文:3648文字
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい
PR注目情報
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部