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 文部科学省の局長らが、出向中に病死した職員の家族向けの寄付金集めを、全国の国立大に依頼していた問題で、事務を担った文科省から出向中の職員は「故人と面識はなかった」と話した。文科省が組織として寄付集めを進めた実態の一端が浮かび上がった。

 「国立大学法人総務担当課長殿」宛てに、一口千円の寄付のとりまとめを依頼する文書は、文科省と総務省が管轄する放送大学学園から8月20日付で送られた。同学園は文科省のキャリア(現初等中等教育局長)が理事を務めていたほか、今回の依頼文書の「差出人」となった総務課長なども文科省からの出向者が担っている。

 文科省からの出向職員の一人は、寄付集めの事務に関わった背景について、「私も総務課長も4月に着任したので、(それ以前に亡くなった故人は)直接存じ上げている方ではない。ただ、文科省の所属ということは同じ」と説明した。全国立大に依頼の文書を送った理由については、「故人の知り合いがどこにいるか分からない」ためだったとし、上司らの了承で最終的に決まったという。

 一方、文書を受け取った国立大の中には、寄付の申込用紙を一斉メールで教職員に送っているところもあったこともわかった。

 今回の寄付依頼は、大学教育を所管する高等教育局の義本博司局長や、常盤豊・生涯学習政策局長(当時)、放送大学学園理事に出向していた現初等中等教育局長、大学生向けの奨学金を取り扱う日本学生支援機構の理事長代理ら上級幹部やOBら20人が発起人となって、全86国立大学に対して文書の形で送付していた。(小宮山亮磨、松尾一郎)