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 徳島県美波町に本社がある海部観光の高速バスで6月、50代の男性運転手が、同乗していた男性指導員と口論の末に業務を放棄し、乗客17人が約1時間にわたって淡路島南パーキングエリア(PA、兵庫県南あわじ市)で待たされる事態が起きた。2人の口論は、運転席のマイクを通じて車内に流れていたという。

 四国運輸局や海部観光によると、問題が起きたのは6月12日の同県阿南市発大阪方面行きの便。運転手が高速道路を低いギアのままで走行していたため、指導員が「ギアを上げなさい」と指示した。運転手は「これが自分のやり方だ」と拒否し、「これ以上運転できない」と、立ち寄る予定のないPAにバスを止めて、運転をやめた。指導員は事前に飲酒検査などを受けていなかったため代わりに運転できず、乗客は約1時間後の後続便に乗り換えた。運転手は運転歴約30年のベテランだが、中途入社したばかりで、トラブルの2日後に退社したという。

 四国運輸局は「代替バスを用意するなど運行を継続している」として、今回のトラブルそのものについての処分は見送った。ただ、調査の際に運転手への指導記録の一部が残っていないなどの問題があったとして、同社と関連会社に、10月24日付で文書警告の処分を出した。

 海部観光の打山昇会長は「乗客のみなさまにご迷惑をかけ申し訳ない。二度とこのようなことがないようにしたい」と話した。(三上元)