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 職場での女性差別、性暴力などの被害を国内の裁判で訴えて救済されなかった人らが、国連の委員会に直接申し立てられる制度を政府に求めています。10月上旬、NGOのネットワークが国連女子差別撤廃委員会のパトリシア・シュルツ委員(69)を招いて東京や北九州など全国5カ所で講演会を開き、制度の必要性をアピールしました。

「私の敗訴、世界水準に照らしてみて」

 大阪の講演会では、最高裁まで争って負けた元原告3人が登壇し、思いを訴えた。

 中国電力で働く広島市の長迫忍さん(56)は訴訟の経緯を説明し「世界水準に照らしたら、どのような判断になるのか知りたい」と述べた。

 昇進などで差別を受けたとして2008年、賃金差額など約1200万円を求め、会社を提訴した。裁判所は昇格・賃金に差があることは認めた一方、性差別ではなく人事考課によるもので合理的と判断。15年に敗訴が確定した。

 高校卒業後に入社し、営業などで平均以上の業績を上げたが、職能等級は1999年から13年間、据え置かれていた。2008年4月時点で、長迫さんと同期同学歴の男性の多くは先に昇格しており、個々の賃金を見ると、ほとんどの女性は男性より低額だった。

 会社側は訴訟で「女性に昇進を望まない者が多いことなどから賃金が低い傾向にあるが性差別ではない」と主張。長迫さんは「評価制度に性別に基づく偏見が生じやすいと訴えたのに、裁判所は企業の話をうのみにした」と話す。

 富山市の本間啓子さん(66)…

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