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 会計検査院は9日、国費の無駄遣いや不適切な経理など改善が必要な事業が374件、1156億円にのぼるとした「2017年度決算検査報告」を安倍晋三首相に提出し、公表した。指摘金額は昨年の874億円より増えたが、件数はここ10年で最も少なかった。

 指摘を受けた省庁・団体別では、防衛省の639億円が最も多かった。自衛隊の航空機や艦船に搭載する部品の管理についての報告書上の不備が616億円分あったことが金額を押し上げた。次いで多かったのが商工組合中央金庫の151億円で、農林水産省の117億円、厚生労働省の43億円、総務省の30億円と続いた。

 全国の高速道路の橋やトンネルで必要な補修や点検が行われていなかったことや、山崩れなどの危険地区に指定された場所で決められた調査が行われていなかった問題など、安全や防災に関する指摘も目立った。

 この10年間で指摘件数、金額ともに最多だったのは09年度分の986件、1兆7904億円。17年度分の指摘件数が少なかったことについて、検査院は「過去の改善要求によって、不当事項が一時的に減ることがある。今年はそれが例年以上に強く出たのだろう」などと説明している。

 報告書ではこのほかに、少子高齢化の進行に合わせて年金の給付額を抑えるよう調整する「マクロ経済スライド」について独自の試算を公表。2004年度の制度導入と同時に発動していれば、16年度までの12年間で計約3・3兆円の給付抑制につながった可能性がある、と指摘した。

 検査院は今回の報告とは別に、学校法人「森友学園」への国有地売却問題について、財務省による決裁文書の改ざんを受けた追加の検査をしている。取りまとめ次第、国会に報告する方針。(高橋淳、田内康介)