米朝交渉また実現せず 非核化、制裁めぐり意見に隔たり

ニューヨーク=武田肇、北京=冨名腰隆、ワシントン=園田耕司
[PR]

 米国務省は7日未明、8日にニューヨークで予定されていたポンペオ米国務長官と北朝鮮の金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長との高官協議を延期すると発表した。公表された外交日程が延期されるのは異例で、北朝鮮側の都合で延期された可能性がある。米国が北朝鮮に求める非核化の具体的措置と、北朝鮮が主張する制裁緩和を念頭においた「相応の措置」をめぐり、意見の隔たりが大きいことが背景にあるとみられる。

 米国務省は5日、両氏が会談すると発表。延期を明らかにした7日の声明では、「対話は継続する」と強調したが、理由は明らかにしていない。米政府当局者は先週末、「2回目の首脳会談に向けた重要会合だ」と語り、首脳会談の開催時期と開催地の最終調整を行う考えを示していた。

 金英哲氏は当初、7日の北京発の飛行機でニューヨーク入りするとみられていた。中朝関係筋によると、5日時点では搭乗者名簿に名前があったが、その後、取り消されたという。

 北朝鮮メディアは10月7日にポンペオ氏が訪朝して以降、北朝鮮の非核化まで制裁を続けるとした米国の政策を繰り返し非難していた。2日付の朝鮮中央通信は、北朝鮮外務省米国研究所長が「米国が態度の変化を見せないなら、4月に採択した経済建設に総力を集中する路線に『(核開発も同時に進める)並進』という言葉が復活することもある」と論評を通じて警告したと伝えた。

 米側が希望していた交渉が実現しないのは、10月中旬にウィーンで予定されていた米朝実務者協議の中止に続き2回目。韓国・峨山政策研究院の申範テツ安保統一センター長は「米国が非核化の検証を強調しているのをみて、北朝鮮が負担を感じたのではないか」とみている。

 金正恩(キムジョンウン)党委員長の年内のソウル訪問を準備している韓国政府関係者は7日、記者団に、「朝鮮半島の非核化と恒久平和の定着の面から、(今回の米朝高官協議を)期待していただけに残念なことだが、過去にも延期の事例はある」との見方を示した。(ニューヨーク=武田肇、北京=冨名腰隆、ワシントン=園田耕司