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 大リーグの新人王。選手生活で一度しかとれないタイトルが12日(日本時間13日)に発表される。投打「二刀流」の大谷翔平(24、エンゼルス)はアメリカンリーグの最終候補3人に残った。「前哨戦」ともいえる米メディアの独自選考も結果が出始めた。

 新人王は、全米野球記者協会に所属する記者の記名投票によって選ばれる。球団ごとの担当記者数は差があるため、投票権を持つのは各球団の本拠都市から2人ずつの、計60人。過去、日本人選手では野茂英雄(1995年、ドジャース)、佐々木主浩(2000年、マリナーズ)、イチロー(2001年)が受賞している。

 5日、大リーグ機構が公表したア・リーグの最終候補には大谷のほかに、ミゲル・アンドゥハー(23)と、グレイバー・トーレス(21)が入った。ともに今季、東地区2位のヤンキースの内野手で、とくにアンドゥハーは3人で唯一、規定打席をクリアした。今季の月間最優秀新人でも、4月と9月が大谷だったのに対し、6月と8月はアンドゥハー。ア・リーグで複数回選出されたのは、2人だけだ。

 打撃成績で比較すると打率、打点、本塁打ともアンドゥハーに及ばない大谷だが、最大の強みは、やはり「二刀流」。エンゼルスのソーシア前監督はシーズン中、担当記者に囲まれて新人王の話題になると、こんな一言でアピールしていた。「アンドゥハーやトーレスは、何試合に投げたんだっけ?」。2度の右ひじ故障があったとはいえ、大リーグの高いレベルで投手も打者もこなした大谷こそが、新人王にふさわしいとの考えを示していた。

 最優秀選手など各賞を独自に選ぶ米メディアもあり、1942年創刊の野球専門誌「ベースボール・ダイジェスト」は、今季のア・リーグ新人王に大谷を選出した。同誌の編集者と全米野球記者協会会員の計8人が選考し、2位はアンドゥハーだった。全国紙、USAトゥデー(電子版)が発表した選考でも大谷はアンドゥハーに競り勝ち、ア・リーグの新人王に選ばれた。

 普段、チーム優先で個人成績にあまり関心がない大谷は、監督やチームメートからの新人王に推す声を伝え聞くと、謙遜しつつも「そう言ってもらえるのはうれしい」とプレーの励みにしていた。一方のアンドゥハーはプレーオフ敗退後、新人王の話題をふられると「今年は若手の素晴らしい選手がたくさんいる。グレイバー(トーレス)、大谷もそうだ。ベストなルーキーが選ばれると期待している」。一生に一度のタイトルを手にするのは、果たしてどちらか。(山下弘展)

ア・リーグ新人王候補の成績

 大谷翔平(エンゼルス、投手・指名打者) 打撃=104試合、367打席、打率2割8分5厘、61打点、22本塁打、10盗塁 投手=10試合、防御率3.31、4勝2敗

アンドゥハー(ヤンキース、三塁手) 打撃=149試合、606打席、打率2割9分7厘、92打点、27本塁打、2盗塁 守備=136試合、失策15、守備率9割4分8厘

トーレス(ヤンキース、二塁手・遊撃手) 打撃=123試合、484打席、打率2割7分1厘、77打点、24本塁打、6盗塁 守備(二塁)=109試合、失策12、守備率9割7分9厘 守備(遊撃)=21試合、失策5、守備率9割2分8厘

     ◇

ア・リーグの月間最優秀新人

4月=大谷翔平(エンゼルス)

5月=トーレス(ヤンキース)

6月=アンドゥハー(ヤンキース)

7月=グリエル(ブルージェイズ)

8月=アンドゥハー(ヤンキース)

9月=大谷翔平(エンゼルス)