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 日本銀行は8日、10月30~31日の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。政策は現状維持だったが、政策委員からは金融機関などへの「緩和の副作用」を強く意識した意見が相次いだ。「金利変動幅や金利操作目標年限等について、柔軟に検討していくことが重要である」と、政策修正に前向きな意見もあった。

 ある委員は、地域金融機関の不採算企業への貸し出しが増えているため、「景気後退局面となり信用コストが顕在化した場合には、加速度的に収益悪化が進む恐れがある」と指摘した。金融システムの懸念点について、「モデルで必ずしも描写しきれない構造変化など、様々な要因についても目配りする必要がある」と述べる委員もいた。

 会合では2018~20年度の物価見通しをそれぞれ0・1~0・2%幅引き下げた。ある委員は「変動メカニズムが複雑化しており、先行きの不確実性も高まっていることが影響している」と指摘。また、「2%に向けて物価に加速感が見られない現状は重く受け止めるべきだ」とした委員は、「更なる長期金利変動幅レンジの柔軟化は、2%の実現に対するコミットメント(約束)を揺るがしかねない」と政策修正を否定した。

 19、20年度の経済成長率見通しは据え置いたが、米中貿易摩擦など世界景気の後退を懸念する声も強まっている。「世界経済は踊り場の状態になりつつある。保護主義的な動きなどを巡る不確実性は高まっている」「貿易問題などで(国内景気も)足もと景気拡大に向けたモメンタム(方向性)はやや弱まっている」と悲観的意見が相次いだ。(湯地正裕)