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 岐阜市が「高齢者の食育」に力を入れている。今年度から重点事業と定め、レシピの開発や、管理栄養士による無料相談会など、新たな取り組みを考案。背景には、高齢化が進む中、高齢者の健康寿命を延ばしたいとの狙いがある。

 「お肉やお魚は毎食食べていますか?」「料理が大変な時はサバなどの缶詰がおすすめですよ」

 先月中旬、岐阜市のJAぎふ本店で、管理栄養士が野菜を買いに来た年配の人たちを呼び止め、栄養相談に乗っていた。同時に高齢者向けに開発したレシピの試食会も開いた。いずれも初めての試みだ。

 市が実施した2014年の健康基礎調査によると、肥満度を示すBMIで、65歳以上の女性の約13%、男性の約11%が18・5未満の「低体重(やせ)」だった。市健康増進課の若山桂子主査は、「肉や魚を食べない人が多いのではないか」と分析する。たんぱく質が不足すると、筋肉の量が少なくなり低体重につながるという。市は今年度から食育推進計画のうち「高齢期の食育」を重点事業に定めた。

 中でも、注力するのが「フレイル」を予防する食育だ。フレイルとは、加齢とともに筋力や認知機能など心身の活力が低下し、要介護状態などになる危険性が高まっている状態のこと。市は食を通じたフレイル予防に取り組むため、今年度、約100万円の予算を確保。県の栄養士会に業務委託し、レシピの開発や、無料栄養相談などに乗り出した。

 今回、管理栄養士たちが考案したのは、低栄養予防や減塩を考慮した4種類のレシピ。たんぱく質を多く含んだ肉や魚を使いながら、食欲のない高齢者が食べやすい食感や味つけを意識したという。「かぼちゃのドライカレー」は、たんぱく質豊富な豚のひき肉を使い、甘みのあるかぼちゃを入れることでカレールーの量を減らした。やわらかく、食べやすい味付けに、試食した人たちは「おいしい」と声を上げていた。

 無料相談に訪れた奥田孝道さん(79)は、高血圧が悩み。管理栄養士から「血圧を下げるためには、カリウムが必要。キウイや柿を食事の後に食べて」「みそ汁に海藻をたくさん入れてみて」とアドバイスを受けていた。

 市は、高齢者の食育がフレイル予防につながり、健康寿命を延ばす効果があると期待する。平均寿命が延びて高齢者人口が増える中、寝たきりなど介護が必要な高齢者を減らすのが狙いだ。若山さんは、「食事に対して無関心な高齢者に、どうアプローチしていくかが課題」と話す。

 高齢者向けの試食会と無料栄養相談は、今年度中に残り4回(11月21日、12月19日、1月16日、2月27日)予定されている。いずれもJAぎふ本店内で午前10時半から正午まで。試食は数量限定。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(松浦祥子)