9月6日未明に起きた北海道地震の直後、道内はほぼ全域で大規模停電(ブラックアウト)が起きた。入院患者全員が人工呼吸という札幌市の病院では、復旧の見通しがないまま、医師たちが焦燥にかられていた。自家発電機の燃料は残りわずか。そのとき、医師の脳裏をよぎった過去のある経験が苦境に道を開いた。
札幌市中央区の平成会病院は入院患者82人全員が人工呼吸という病院だ。「停電は即、患者全員の死につながる」と副院長の米山重人(よねやましげと、63)は言う。全患者の呼吸器と連動する生体モニターを医師らが24時間見守る。
6日未明の北海道地震で同区は震度4。だが、朝、米山が病院に電話すると「自家発電が動いています」。重大な事態と気づいた。北海道電力からは、通常の送電線が不能になった事態に備え「予備線」もひいていた。それも途絶えたわけだ。
病院に着くと、薄暗がりに緊急用ランプがともっていた。3階建ての屋上にあがり、発電機を確かめた。ざっと見積もって燃料がもつのは残りあと6時間だ。
向かいにはガソリンスタンドが…
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