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 静岡県藤枝市の山中で6月、看護師内山茉由子さん(当時29)=浜松市=の遺体が見つかった事件で、内山さんを連れ去ったとされる逮捕監禁と営利略取の罪で起訴された住所不定、無職伊藤基樹被告(28)の初公判が9日、静岡地裁浜松支部(山田直之裁判長)であった。伊藤被告は「間違いないです」と起訴内容を認めた。

 事件ではこれまでに、名古屋市天白区の無職鈴木充被告(43)が内山さんに対する逮捕監禁や営利略取の罪に加え、死体遺棄の罪などでも起訴された。一方、内山さんの拉致の指示役とみられ、事件発覚後に自殺した男(当時39)は殺人容疑などで静岡地検に書類送検されたが、容疑者死亡で不起訴となっている。

 起訴状によると、伊藤被告は5月26日夕、鈴木被告や男と共謀して浜松市の駐車場で内山さんの車に乗り込み、暴行して車を発進。翌27日午前4時20分ごろまでの間、内山さんを車内で押さえ込むなどして同市まで監禁したとされる。

 検察側は冒頭陳述などで、職場の人間関係に悩んでいた伊藤被告が金を稼ぐ目的でインターネットの掲示板を閲覧。自殺した男の金もうけを誘う書き込みを見つけてメールなどで連絡を取ったところ「人さらいの仕事をしてもらう」「1件100万円」などと持ちかけられ、その後、都内で運転手役をやるよう依頼された、とした。

 さらに鈴木被告を含む3人で浜松駅で合流し、「市内のスーパーで予行演習をし、犯行に及んだ」などと指摘。内山さん死亡の経緯については、伊藤被告がいったん下車し、再乗車した際、「車両の中に内山さんの姿はなかった」と説明するにとどめた。

 男は県警が逮捕監禁容疑で逮捕状を取った6月に新潟市で自殺した。一連の犯行が密室の車内で行われたとみられるうえ男の供述や直接証拠が無く、捜査は難航。内山さんの死亡の詳しい経緯は明らかにならないまま捜査は事実上終結した。(増山祐史、菅尾保)

関係者に広がる「なぜ」

 誰が、なぜ殺害したのか――。…

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