[PR]

 全国大学ラグビー選手権で4度の優勝を誇る「関西の雄」同志社大が苦しんでいる。関西大学リーグで3連敗し、4日の立命館大戦で今季4戦目にして初勝利。11日の近畿大戦で連勝を目指す。原因は伝統校ならではの苦しみにあった。

 全盛期は1980年代だ。その後「ミスターラグビー」と呼ばれた故平尾誠二さんらを擁して自由な発想で球を動かすラグビーを見せ、82~84年シーズンの3連覇を含む4度の大学日本一。全国大学選手権決勝は早稲田大に敗れた87年シーズン以来遠ざかっているが、関西では常に上位に入り、名門としての地位を築いてきた。最近では2016年シーズンに大学選手権で4強に入っている。

 4日に3戦全勝だった立命館大を相手に24―10で勝った直後。萩井好次監督はホッとした表情を見せると同時に、苦しんできた要因について語った。

 「同志社は結果を出すチームと世間はとらえているんです」

 スタンドからは白髪交じりのオールドファンからも大声援を受け、かつての栄光からマスコミからも常に注目される。そのプレッシャーに苦しんでいる。フッカー平川隼也(4年)は「直接言われることはないんですが……」とその圧力を認める。

 今季は初戦で京都産業大に26―28と接戦をものにできず、昨季王者・天理大には0―59と完封負け。続く関西学院大戦では33―40と終盤に競り負けた。敗れるたびにチームを覆う重苦しい空気。主将のCTB山口修平(4年)は控えや裏方を務める同級生に意見を求めた。すると「結果ばかりを気にして固くなっている」と言われた。

 だから立命館大戦を前にした1週間は勝利を意識するより、「まずは目の前のプレーを大事にし、そして楽しもう」と声をかけ続けた。ようやく練習のムードも変わった。

 立命館大戦では一時退場やケガで2人少ない13人になる場面もあったが、好プレーが出ればいつもより大きな声で褒め合った。「苦しい時ほど、いいプレーが出たことについて全員で喜びを共有した」と山口。試合後は「ひとつ一つを楽しむことが、同志社のラグビーなんだと思った」。その積み重ねが結果とようやく理解できた。

 あと一つ負ければ4位以下が確定し、3校が駒を進める全国大学選手権出場を前回に続いて逃すことになる。残り3試合を全勝しても、他校の結果次第では全国大学選手権出場に手が届かない場合もある。厳しい戦いは続くが、本来持つ「伝統」を生かし、意地を見せられるか。(有田憲一)