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 薬害を防ぐために8年前に設置が提言されていた医薬品行政の第三者監視組織について、厚生労働省は8日、省内に審議会として新設する方針を決めた。医薬品の担当部署と切り離して、省全体の行政を総括する大臣官房に事務局を設ける。来年の通常国会に提出予定の医薬品医療機器法の改正案に盛り込む。

 厚労省がこの日の専門家会合に提案し、大筋で了承された。組織の目的は、医薬品などの行政の透明性を高め、重い副作用の発生や蔓延(まんえん)を防ぐこと。安全対策の状況を監視、評価して、必要に応じて厚労相に意見を述べることができるとしている。審議会のメンバーは10人程度で、薬害被害者や医師、薬学の専門家らが想定されている。

 第三者組織をめぐっては、薬害肝炎事件の検証と再発防止を検討する委員会が2010年に設置を提言。国内ではこれまでにもサリドマイドやスモン、薬害エイズなどの事件が起きており、薬害の発生や拡大を未然に防ぐ新たな組織が必要とされていた。

 民主党政権だった10年、当時の長妻昭厚労相が新設を約束したが、頓挫。その後も組織のあり方について国側と薬害肝炎全国原告団との間で折り合いがつかず、協議が続いていた。今回設けられることになった組織の運営方法やメンバーについても、引き続き原告団と詰める方針という。

 厚労省専門家会合のメンバーで、全国薬害被害者団体連絡協議会の花井十伍(じゅうご)代表世話人は「厚労省内の部局の枠を超えて、薬害問題に対応できる組織にできるかが肝心だ」と話す。会合では別の委員からも「形だけで終わらないようにしていただきたい」と実効性を求める意見が出た。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(姫野直行、阿部彰芳)