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 50年前に起きた食中毒事件「カネミ油症」は、汚染された食用油を口にした人だけでなく、子や孫の健康被害を訴える声がある。だが、患者として認定されている「2世」はわずかで、実態把握は進んでいない。長崎大の医師らが今年、患者の子が出生した前後の記録を集めて、影響を探る調査を始めた。

 7月から長崎県五島市で調査を始めたのは、長崎大大学院地域医療学分野客員研究員で上五島病院小児科医の小屋松淳さん(38)。4年前に市内の病院で油症外来を担当し、子や孫を心配する患者を知った。

 油症は、米ぬか油の製造過程で混入したポリ塩化ビフェニール(PCB)の加熱でできるダイオキシン類が主な原因だ。次世代への影響については、患者認定に中心的に関わる全国油症治療研究班の医師らがこれまで、出産経験のある女性患者約200人のアンケートや検査を実施。2世を含む患者の検診も毎年行われているが、研究班長の古江増隆・九大大学院教授は「次世代の健康面の影響は確認されていない」と話す。

 だが、発覚当初は皮膚症状のある「黒い赤ちゃん」が生まれたほか、油症と似た症状を訴える2世、3世もいる。ダイオキシン類の血中濃度が基準値を超え、患者と認められた2世もいる。一方で、国や自治体は被害の掘り起こしをしておらず、認定患者2322人(3月時点、故人含む)のうち、2世が何人いるかも把握していない。

 小屋松さんは科学的評価をしなければ不安を払拭(ふっしょく)できないと、子の発育を記録する母子手帳に着目。妊娠中の胎児の状況や出産時の様子、乳幼児検診で異変があれば記されるため、それを蓄積すれば影響の有無を調べられると考えた。

 差別や偏見を恐れ、子や孫で被…

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