大手商社が金密輸の「抜け道」 確認せず輸出した企業も

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笠井哲也
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 密輸された金が、大手商社を経由して輸出される構図が明らかになった。こうした「抜け道」が成り立ってきた背景には、商社側の認識の甘さや財務省の密輸対策の遅れに加えて、金の取引が持つ特有の事情もある。

 財務省が金密輸対策に本格的に取り組み始めたのは2016年に入ってから。その年、金の輸出量が前年より44%増と急増。当時の担当者は「国内で金の産出が増えたわけでもない。急増の説明がつかなかった」とふり返る。

 金の流通統計などで調べていくと、買い取り業者から大手商社に流れている量が極端に多いことに気づいた。そこで、買い取り業者を管轄する経済産業省などにも協力を呼びかけ、財務省は17年11月、密輸に対する緊急対策をまとめた。自らも大手商社への聞き取り調査を進めていった。

 その結果、一部の商社が電話…

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