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 プロ野球ドラフト会議から約2週間。投打の「二刀流」で注目され、4球団競合の末に中日入りした根尾昂(あきら、大阪桐蔭高)は、プロでは遊撃手で勝負することを明かした。そのショートで根尾に負けない評価を得たのが、広島が1位指名で交渉権を得た小園海斗(兵庫・報徳学園高)だ。高評価の理由は何だったのか。

 ドラフト当日。照明がともった報徳学園のグラウンドで、小園は仲間から祝福された。遠巻きで目を細める大角健二監督がつぶやいた。「まさか、ここまで評価されるとは思っていませんでした」

 9日に広島と仮契約した小園は、4球団から1位指名された。報徳学園では1年からレギュラーをとり、2年で高校日本代表の正遊撃手を任された。俊足強打の左打者として、3年夏の甲子園では8強入りの原動力になった。ただ、周囲は今年のドラフトの目玉だった根尾と同等まで評価が上がるとは思っていなかった。

 ところが、スカウトたちの目は違った。ソフトバンクは、ドラフト前に王貞治会長が小園の1位指名を公言した。永井智浩編成・育成部長兼スカウト室長は、「守備で肩も、捕る能力もある。3割30盗塁はいける選手だと評価している」と語った。オリックスの長村裕之球団本部長も、「ショートでしっかりレギュラーをとれる走攻守がある」と、全ての面で評価していた。

 DeNAの高田繁・前GMは根尾との違いについて語った。「足がスペシャルだからね、彼の場合は。バッティングも守備も根尾に負けないところがある」。50メートル走は根尾の6秒1に対し、小園は5秒8。機動力を武器に相手の隙を突く報徳学園で磨かれた脚力で高評価を得た。

 そんな逸材を引き当てたのは広島だった。担当した鞘師(さやし)智也スカウトは報徳OB。小園が1年の頃から追いかけてきた。「脚力もあり、打撃にも柔らかさがある。三拍子そろった選手で、カープの野球にぴったり」と指名理由を語った。「今年の1月までは単独指名でいけると思っていたけど、彼の頑張りもあって、最後は神頼みでした」と、4球団が競合したことについて苦笑いで振り返った。

 遊撃手としては、どうか。根尾は高校時代、投手との「二刀流」に挑んでいたこともあり、ショートとしては伸びしろがあるとみられている。一方の小園はショート一筋。現段階では、経験値で上回っており、今夏の日本代表でも小園が遊撃を任され、根尾は外野と投手で先発した。

 広島と中日。同じセ・リーグに飛び込む根尾を、小園自身はどう見ているのか。「ずっとショートとしてライバルと思っているのが根尾。全てにおいて負けたくない」。今夏の全国選手権を沸かせた「100回世代」を代表する2人は、次はプロでもしのぎを削ることになりそうだ。

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