【動画】ヨルダンで土石流=旅行者提供
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 中東ヨルダンで9日、大雨による洪水が各地で発生し、地元報道などによると、計9人が死亡、数十人が負傷した。世界遺産のペトラ遺跡は土石流に襲われ、観光客3500人超が避難した。在ヨルダン日本大使館によると、団体旅行で同遺跡を訪れていた日本人の観光客45人と添乗員2人の無事を確認したが、個人で旅行していた日本人観光客がいた可能性もあり、情報収集を続けている。

 さいたま市の会社員森田幸雄さん(50)は9日午後2時ごろ、ペトラ遺跡入り口を訪れたが、閉鎖されていたという。森田さんは朝日新聞の電話取材に対し、「ゴーという大きな音とともに、近くの峡谷を茶色く濁った土石流がすごい勢いで流れていた」と話した。

 ペトラ遺跡はヨルダン南部にある岩山に囲まれた古代都市遺跡で、砂漠の遊牧民が約2千年前に築いたナバテア王国の都とされる。1985年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に登録された。米映画「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」の撮影地としても有名で、世界的な観光地になっている。

 ヨルダンでは例年、11月から3月にかけて、降水量が増える。10月25日にも死海付近で大雨による鉄砲水が発生し、遠足中の生徒ら21人が死亡した。死海付近も今回のペトラ遺跡も、乾燥した気候で、深い渓谷が連なる地形のため、雨が降れば鉄砲水や土石流が起きやすい。(エルサレム=渡辺丘)

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 中東ヨルダンの世界遺産・ペトラ遺跡で9日にあった土石流。団体旅行で遺跡を訪れていた日本人観光客45人と添乗員2人の無事が確認されたが、旅行中だった日本人観光客は「恐怖だった」と「そのとき」を語った。

 この観光客によると、雨が降った後、ザザザーという音が聞こえ始め、一瞬で目の前が土石流に襲われたという。取材に対して、「避難したが、1時間ほど土石流に見舞われた。上流はもっと激しかったようだ。みなさん無事でいてほしい」と語った。

 観光客と添乗員の計47人の遺跡ツアーを企画した旅行会社「クラブツーリズム」(本社・東京都新宿区)の説明では、観光客と添乗員は土石流の発生直後、歩いて高い場所に避難した。その後、バスに乗って宿泊するホテルに戻ったという。予定通り12日に帰国するという。