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 トランプ米政権で通商を担うナバロ大統領補佐官は9日、米中首脳会談に向けて「『ウォール街』は交渉から出て行け!」と述べ、ウォール街出身で対中融和派のムニューシン財務長官を牽制(けんせい)した。ムニューシン氏が指揮してきた対中協議は頓挫し、米中首脳会談の仕切り役は対中強硬派のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が担う。政権内の対中融和派の勢いは弱まっており、米中対立の打開は難しそうだ。

 トランプ氏と中国の習近平(シーチンピン)国家主席は1日の電話会談で、11月末の主要20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて会談することで合意した。カドロー国家経済会議議長は同日、首脳会談のトランプ政権側の責任者は、ボルトン氏が担うと説明した。

 首脳会談開催は米中の歩み寄りともとれる動きだが、ナバロ氏は9日、ワシントン市内で講演し、「中国政府の影響を受けた活動の一環で、大金持ちたちがG20に向けて(融和に向けた)全面攻勢をしている」と中国を批判。「大統領はグローバリストに屈しない知恵と勇気がある」と強調した。

 ナバロ氏はムニューシン氏を名指しすることは避けながら、「ゴールドマン・サックスのカネをオハイオ州デイトンに持って行け!」と訴えた。デイトンは、トランプ氏を支持する低所得の白人労働者が多いラストベルト(さびついた工業地帯)の代表都市だ。

 ムニューシン氏は米金融大手ゴールドマン・サックス出身。今年5月、中国の劉鶴(リウホー)副首相との間で関税の応酬を「一時停止」することで交渉をまとめたが、トランプ氏や対中強硬派の意向で合意はほごにされ、米中は本格的な通商紛争に突入した。

 米政権は日本や欧州、カナダや…

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