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 明治神宮野球大会は10日、高校の部で準々決勝があり、星稜(北信越・石川)が広陵(中国・広島)に9―0の七回コールドで勝利した。今年のU18(18歳以下)の日本代表に選ばれたエースの奥川恭伸(やすのぶ)(2年)が7回を被安打3、11奪三振で完投。打線は四回、7長短打を集中させて一挙7点を奪った。

 奥川は「(北信越大会まで)投げていなかったフォークを全国大会で試してみたかった」と決め球を多投した。140キロ後半の直球で押し、130キロ前半のフォークをきっちりと低めに決めた。秋季中国大会準決勝で岡山・創志学園の西純矢を打ってきた広陵の中井哲之監督は「西君の方が速いが、緩急は奥川君の方が上。(フォークは)131キロとか出ているので普通、高校生のストレートですよ。現段階ではお手上げ」と苦笑いを浮かべた。

 奥川の理想は柔と剛を兼ね備えた隙のない投手。投球は力まないように「いつも通りの7、8割の力」「バッターを見て、うまい投球がしたい。三振にこだわりはないが、取るべきところで取らないといけない」「スピードは体ができれば勝手に上がると思うのでボールの質の方が大事」などと話す。

 今夏の全国選手権大会では2回戦で済美(愛媛)に最大6点リードの展開で追いつかれ、延長十三回タイブレークの末、チームはサヨナラ満塁本塁打を浴びて11―13で負けた。奥川は足がつって4回で降板していた。「野球の怖さを学んだ。今のチームでは試合中は常に引き締めていこうと言い合っている」。U18では中日からドラフト1位指名を受けた根尾昂(大阪桐蔭)から投球の組み立てなどを学んだ。

 奥川は七回、最後の打者をフォークで空振り三振に抑え、控えめに小さく右の拳を握りしめた。「丁寧に投げることを心がけた。投げきれたのでほっとした」。四死球はゼロ。広陵に全く隙をみせない投球だった。(坂名信行)

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