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 福井県小浜市の県立若狭高校海洋科学科の生徒たちが開発した「サバ醬油(しょうゆ)味付け缶詰」が、2019年に宇宙へ――。宇宙日本食は大手食品メーカーの独壇場で、高校生が初めて切り込んだ。研究は小浜水産高校時代から12年がかりで進め、高度な課題を一つひとつクリアした結果だ。

 国際的な衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」を水産高時代の06年、実習工場で作る「サバ醬油味付け缶詰」の製造工程で取得した。HACCPは米航空宇宙局(NASA)が安全な宇宙食を製造するための衛生管理基準として開発され、全国の水産高校で2例目だった。

 当時の生徒から「私たちの缶詰を宇宙に飛ばせるのでは」との声が出たのがきっかけだった。翌年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)講師の講演会を開くなどして宇宙食の開発に取り組み始めた。

 だが、様々な課題があった。缶詰の調味液の粘度もその一つ。無重力の宇宙で開封した際、液が飛び散らないよう、JAXAの基準があった。この点は液に9%の葛粉を混ぜることでクリアした。サバは小浜市田烏で養殖された「よっぱらいサバ」だ。

 開発に携わった生徒は延べ313人。今年は2年生の高山夏実さん、西村喜代さん、大道風歌さん、飛永朱莉さんが担当になって仕上げた。12日、同校で試食した宇宙飛行士若田光一さんは「まろやかでご飯に合う」と笑顔で太鼓判を押した。

 JAXAの幹部から認証書を受け取った4人は「先輩たちがたくさん研究してくれたお陰で認証につながりました。本当にうれしい」。来年後半に宇宙飛行士野口聡一さんが国際宇宙ステーション(ISS)で初めて食する予定だ。「ぜひ感想を聞きたいです」(菱山出)