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 日本各地で野生化して急増し、「特定外来生物」に指定されたアライグマ。1970年代以降、アニメで愛らしいイメージが広がり、ペットとして大量に輸入された。当時アライグマを飼っていた女性は、「ネコちゃんみたいなもの」と、ペットショップで言われたという。だが、飼い始めて4カ月もすると……。女性は悔恨の思いを込め、当時を振り返った。

きっかけはCM

 かつてアライグマを飼っていた都内の児童文学作家のさとうまきこさん(70)の自宅を訪ねると、居間のテーブルの隅に、小さい穴がたくさんあった。

 「それ、ペー太がかんだ跡ですよ」

 「ぺー太」はさとうさんが1989年頃、生後2カ月の時にペットショップで購入したオスのアライグマ。8年10カ月間、死を迎えるまで共に暮らした。

 アライグマが容器のポンプを押して液体石けんを出し、器用に手を洗う――。テレビで当時流れていたCMを見て、さとうさんと次男(当時9)は、「かわいい!」と夢中に。アライグマを乗せている車を見かけたことで、飼いたい気持ちがさらにふくらんだ。

 アライグマ人気の始まりは1977年から放映されたアニメ「あらいぐまラスカル」だ。米国の作家が幼い頃に森で拾ったアライグマと交流した体験を書いた本が原作。ラスカルは少年と行動を共にする「友達」として描かれた。

 実は、アニメでも成長して畑を荒らすようになると、少年はラスカルをおりにやむなく入れ、最後は自然に戻す。だが、さとうさんの頭の中からその部分は抜け落ちていた。「ここが私の最大のミスでした」

 ペットショップの店員から「ネコちゃんみたいなもの」と説明を受け、生後2カ月のオスを15万円で購入。「ぺー太」と名付けた。「ハクビシンなど、ほかの人と違うペットを求める人が増えた時代。私も珍しい動物を飼っていることに喜びを感じていました」

 哺乳瓶に両手を添えてネコ用ミルクを飲んだり、タバコの煙をつかもうとしたり。そんな可愛い姿を見せていたペー太は、次第に野生の顔を見せていく。

 生後4カ月になると、戸棚や扉…

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