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時紀行

 カルスト台地が広がる岡山県新見市には大小200の鍾乳洞が点在するとされる。中でも有数の観光洞が全長450メートルの「満奇(まき)洞」だ。気の遠くなるような歳月を経て、雨水や地下水が彫り上げた鍾乳石の数々。「洞窟の博物館」とも評される幻想的な空間は、映画「八つ墓村」の撮影地としても知られている。

 岡山県北西部にある新見市。石灰石の産地として知られる山あいの地に、毎年4万人以上が訪れる鍾乳洞「満奇洞(まきどう)」がある。

 江戸末期に猟師が見つけ、地名から「槙(まき)の穴」と呼ばれていたが1929年、与謝野晶子が夫・鉄幹と訪れ、「奇に満ちた」洞窟と絶賛し、「満奇洞」の名が定着したと伝わる。松明(たいまつ)の火を頼りに洞内を歩いたとみられる晶子はこんな短歌を残した。

 満奇の洞千畳敷の蝋(ろう)の火の あかりに見たる顔を忘れじ

 現在、洞窟を照らすのは数秒ごとに色が変わるLED照明だ。

 平らな洞内を進むと、棚田のように岩が段々になった「リムストーン」(畦〈あぜ〉石)が広がる。さらに奥には地底湖を囲むように天井から無数のつらら石がぶらさがる。

 灰色、純白、黄土色。様々な色や種類の石が連なり、「洞窟の博物館」とも評される。

 倉敷市立自然史博物館によると、その起源は3億年前までさかのぼる。赤道付近の海底火山の上に育ったサンゴ礁が石灰岩の層となり、プレートにのって移動。この石灰岩からなる台地を雨水や地下水が穿(うが)ち、幾星霜を経て最大幅25メートルの洞穴ができた。

 水と岩が織りなす幻想的な空間は、横溝正史作の「八つ墓村」の映画やドラマの舞台にもなった。

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