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 便秘は病気だ。自発的な排便が週に3回未満だったり、4回の排便のうち1回以上で強くいきんだりするなど6項目のうち、二つ以上あてはまると「便秘症」と診断される。ただ、2017年にできた診療指針では便秘を「糞便(ふんべん)を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義し、これを満たさなくても生活に支障があれば治療するのが望ましいとしている。

 便秘に悩む人は多い。2016年の国民生活基礎調査によると、便秘の人は女性の22人に1人、男性で50人に1人だった。女性は若いうちから多く、高齢になると男女とも増える。

 原因は様々だ。タレントの松本明子(まつもとあきこ)さん(52)は、便意を我慢するくせや、小食だったこと、ストレスで自律神経のバランスが崩れていたことが腸に負担をかけていた。横浜市立大の中島淳(なかじまあつし)主任教授(59)は「若い女性ではダイエットをきっかけに便秘になる人も多い」と話す。

 中島さんはまず、食生活やトイレの行き方から変えていくことを提案する。野菜やフルーツで食物繊維を積極的にとる。発酵食品の納豆やみそ汁もいい。朝の決まった時間にトイレに行くことや、直腸から肛門(こうもん)までをまっすぐにして便を出しやすくするよう、前かがみに座ることも大切という。

 気の持ちようも重要だ。順天堂大学医学部の小林弘幸(こばやしひろゆき)教授(58)は「毎日出る必要はない。おなかの張りや残便感など、考えるだけストレスになる。ある程度あきらめるのがポイント」と話す。マッサージもいい。肋骨(ろっこつ)の下と腰の上をぎゅっとつかみ、腸のつまりやすい部分に刺激を与え、肛門をしめながら腰をゆっくり回す。仰向けに寝て、おへそから指3本分離れた左右の場所を押すなどだ。

 改善しなければ薬を使うことも検討する。便を軟らかくする酸化マグネシウムは以前から使われてきた。腸の動きを刺激する下剤も有効だが、本来の腸の働きが弱まるため注意が必要だ。次第に量が増え、使わないと排便できなくなることもあると指摘されている。

 中島さんは「便秘を病気と思っている人は少ない。恥ずかしいからと言えない人もいる。生活の質が落ちるので、医療機関にかかってほしい」と話す。(戸田政考)

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 まつもと・あきこ 1966年、高松市生まれ。バラエティーやドラマなどで幅広く活躍。自身の便秘の体験を書いた「腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!」(アスコム)を2015年に発売した。