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 オーストリアのウィーン交響楽団に東洋人として初めて入団し、首席チェロ奏者を34年間務めた吉井健太郎さん(64)が17、18の両日、金沢市内でコンサートを開く。2013年に退団してからも、難病患者や重度障害者を対象にボランティアで続ける演奏活動を「ライフワーク」と語り、金沢での公演の収益もボランティア活動に充てるという。

 NHK交響楽団のチェロ奏者だった父に学び、16歳でウィーンに移住した。ほどなくウィーン交響楽団のエキストラとして演奏会で弾くようになったが、当時の楽団は女性や東洋人を採用しておらず、入団試験の案内をもらって正団員になれたのは数年後。しかし25歳の若さで首席奏者に昇格し、以来、ジョルジュ・プレートルやファビオ・ルイージといった世界的指揮者のもと100年以上の歴史を持つオーケストラの中心を担ってきた。

 楽団の仕事の傍らで、日本の病院や施設などで無料演奏を始めたのは約10年前のことだ。難病患者らを支援するNPO法人を立ち上げた友人の誘いがきっかけだった。「コンサートホールでは弾き手と聴き手の隔たりが大きいが、近くにいれば一緒に音楽を楽しめる」と吉井さん。まひなどで言葉や表情がわからない人も多いが、生の音楽に触れた喜びは自然と伝わってくると話す。こうした活動はすべて手弁当で取り組んでいるという。

 金沢市寺地1丁目の「クラシッ…

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