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 早期発見が難しく、治療も難しいため、難治性のがんとされる膵臓(すいぞう)がんの大がかりなチャリティーイベントが18日に東京都内で開かれる。患者支援団体の「パンキャンジャパン」と共催する、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)肝胆膵(かんたんすい)内科の池田公史科長に、治療の現状や課題を聞いた。

――生存率の向上が見られるがんの中でも、膵臓がんは昔から難しいがんだという印象があります。

 確かに、がんの中でも治療が非常に難しいがんです。私も20年前から治療の開発に携わっていますが、取り組み始めた動機は、なんとかこの難しいがんから患者を救いたいという気持ちでした。ただ、依然として膵臓がんの5年生存率は7・7%と良くありません。60%を超える胃がんや大腸がんと比べるとかなり低い値です。

――10月にノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、注目を集めた免疫チェックポイント阻害薬の登場で状況に変化はないのでしょうか。

 現状では膵臓がん治療で承認されているのは、がん細胞を攻撃する天然物質などからつくられたいわゆる昔からの抗がん剤です。オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害薬はそもそも膵臓がんに承認されていません。臨床試験の取り組みが進められているのですが、単独では効果が見られず、うまくいっていません。

――膵臓がんは進行がんで見つかる場合が多いと聞きます。早期発見に向けた取り組みはどうですか。

 血液や尿、膵液などに含まれる物質を見て、がんの可能性も予測する研究も昔から取り組まれていますが、どれもまだ実現に至っていません。

――がん治療の分野では、ゲノム医療の進展にも期待がかかっていますが。

 肺がんでは特定の遺伝子異常を調べて、それに効く治療薬を使う手法も出てきています。ただ、膵臓がんでも、原因となる遺伝子変異は見つかっていますが、そうした変異を持つ患者さんへの有効な治療薬は肺がんのように見つかっていません。

――ひと昔前は治療薬もなかったのが、近年は、抗がん剤の承認も増えました。

 そうですね。少しずつ治療の選択肢や生存率の向上がみられます。免疫チェックポイント阻害薬も、何かと組み合わせて効果を発揮させる手段があるかもしれません。そのためにも、さらなる研究に務めたいと思います。

    ◇

 パンキャンジャパンは膵臓がんの英語表示を略した米国の「PanCAN(パンキャン)」という膵臓がん患者支援団体の日本支部(真島喜幸理事長)。2006年に設立し、膵臓がん研究の促進や政府への提言、患者・家族の支援などを目的にさまざまな啓発活動に取り組んでいる。

 今回のチャリティーイベント「パープルストライド柏・東京2018」は、そうした毎年開催している活動の一環。今年は18日午前10時に東京・日比谷公園噴水前広場に集合し開会式が開かれる。5キロコースや10キロコースのウォークやランに参加できる。歌手・俳優の竹本孝之さんをゲストに迎えるほか、治療などについて医療者が応じる相談ブースなども設けられる。

 当日参加できる。参加料は大人3500円、小学生1200円でオリジナルTシャツがもらえる。未就学児は無料。

 詳細は、パンキャンジャパンのウェブサイト(http://pancan.jp別ウインドウで開きます)。問い合わせは(電話03-3221-1421)へ。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(聞き手・服部尚