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 「日本一の秘境駅」と呼ばれるJR室蘭線の小幌駅。内浦湾に面した崖の途中にある無人駅で、近くには人家も道路もない。ところが、地元の豊浦町が調べると、4月からの半年間で1482人が訪れていた。町の経済効果につなげようと、観光協会は駅を訪れた人たちに「秘境到達証明書」を発行している。

 小幌駅は、2013年度の1日平均乗車人員がゼロになるなど、利用客数が低迷。JR北海道は15年、廃止する方針を決めた。町は観光の目玉にしようと、JR北と協議。毎年、三百数十万円の維持管理費を負担し、駅を存続させてきた。

 町は駅を訪れる人の実数を把握するためカメラを設置。4月19日~9月30日、停車する上り4本、下り2本のうち、確認できる5本の到着前後10分間を撮影し、列車から降りた人数や徒歩で訪れた人を数えた。

 合計は1482人。月別では、8月の439人が最も多く、5月は275人、7月は274人だった。1日平均は9・4人で、曜日別では、土曜13・6人、日曜12・7人。最も少ない木曜は6・5人だった。

 町は月2回の駅巡回の際、訪れていた人に次の訪問先を聞き取った。多くの人が長万部や洞爺湖などを挙げ、町内へ向かうと答えた人はいなかったという。

 7月に発足した噴火湾とようら観光協会は8月、駅の来訪者に町内に立ち寄ってもらおうと、「秘境到達証明書」の発行を始めた。駅で撮った写真を「道の駅とようら」か「天然豊浦温泉しおさい」で示せば、無料で受け取れる。

 10月末までに259人に手渡した。そのうち、8~9月に185人に発行しており、駅を訪れた人の約3割が町内に足を運んだことになる。同観光協会の岡本貴光事務局長は「証明書が、町内に観光客を呼び込むきっかけづくりに役だった。道内のほかの『秘境』と連携し、さらに効果を上げたい」と意気込む。

 調査を担当した町地方創生推進室の佐藤一貴主幹は「驚きの訪問者数。廃駅にせずに良かった。『日本一』の観光地を大切にして町内への回遊につなげたい」と話している。(三上修)