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 来年10月に始まる幼児教育・保育の無償化をめぐり、全国市長会は14日、国が求める新たな費用負担に反対する方針を表明した。必要な基準を満たしていない認可外保育施設が無償化の対象となることにも危機感を強める。政府が昨年の衆院選の際、詳細を詰めずに無償化を打ち出したツケが表面化している。

 この日、市長会が無償化をテーマに開いた会合で、内閣府は消費増税で地方も収入が増えることから、私立保育所・幼稚園の運営費は国が2分の1、都道府県と市町村が各4分の1、公立保育所・幼稚園は市町村が全額という今の負担割合を無償化後も維持する案などを示した。今は利用者が負担する保育料などが必要経費に加わるため、負担割合は同じでも、国、都道府県、市町村それぞれの負担は増えることになる。

 市長会側は激しく反発。滋賀県湖南市の谷畑英吾市長は「私どもは6月6日と8月30日に(菅義偉)官房長官から『無償化については全額国費で負担するので、市町村には迷惑をかけない』とのお話をいただいた」「地方に財政負担を突然強いるのは、地方自治法の趣旨から逸脱している。地方はなんとでもなると思っているのか」と憤った。別の市長は「1年後の無償化開始を延期してほしい」。

 無償化は認可保育所などに加え、ベビーホテルなどの認可外施設も対象。国の「認可外保育施設指導監督基準」を満たさなくても、経過措置の5年間は無償化される。市長会は「安全確保が不可欠。無償化の対象は基準を満たしている施設に限るべきだ」と訴える。

 厚労省の2016年度調査によると、認可外施設は6558カ所、15万人以上の子どもが利用する。認可外施設のうち、都道府県などが立ち入り調査をしたのは約7割にとどまり、そのうち半数弱は基準を満たしていなかった。(浜田知宏)