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 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の第34回公判が14日、東京地裁であった。原発近くの病院や介護施設から避難を強いられて死亡した患者らの遺族が意見陳述し、3人の処罰を求めた。

 この日で証拠調べは終了した。12月26、27日に、検察官役の指定弁護士と被害者を代理する弁護士がそれぞれ論告求刑する。来年3月12、13日に弁護側が最終弁論して結審する。

 2人の遺族は出廷して自ら意見陳述をした。福島県大熊町の介護施設に入所していた両親を亡くした女性は「津波は天災だが原発事故は人災。想定外では済まされない」と語った。

 施設近くの双葉病院に入院していた被害者の遺族3人は、代理人弁護士らが陳述書を代読した。60代の兄を亡くした遺族は、同原発で働いた経験を踏まえ、「最高責任者は原発の基本的な構造も理解せずに経営に携わっていたのか。慢心があったとしか言いようがない」と述べた。

 母を亡くした女性は、遺体を確認した当時を振り返り、「遺体は骨と皮のミイラのようだった。この気持ちが分かりますか」と問いかけた。経営破綻(はたん)した別の企業の社長が「私らが悪い。社員は悪くない」と涙した会見も引き合いに出し、「あなた方はなぜこのくらいのことが言えないのか。母は東電に殺されたと思っている」と結んだ。

 起訴されたのは元会長・勝俣恒久(78)、元副社長・武黒一郎(72)、元副社長・武藤栄(68)の3被告。大津波を予測できたのに対策を怠って原発事故を招き、双葉病院と介護施設の患者ら44人を死亡させるなどしたとされる。(阿部峻介、川原千夏子)