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 寡作ながら日本SF大賞を2度受賞した唯一の作家、飛浩隆(とび・ひろたか)さんが、16年ぶりの第2長編「零號琴(れいごうきん)」(早川書房)を出した。自身初の連載小説で、当時のあおりは「超特大総天然色活劇」。破格のアイデアで彩られた大冒険の背後には、戦後日本SFへの批評的なたくらみも潜ませる。

 はるかなる未来――。「特種楽器」の技芸士トロムボノクは、特異体質の美少年シェリュバンと一緒に宇宙を旅している。2人は老商人に誘われ、ある惑星へ。そこでは、およそ70万個の鐘を1千人の奏者が鳴らす巨大なカリヨン(組み鐘)が「埋蔵楽器」として眠り、首都の開府500年を記念して、今しも打ち鳴らされようとしていた。

 「すでに消えてしまった高度な文明があって、それがあちこちの星に建物大の楽器をたくさん残していて。それを修理して回る主人公と、お話をかき乱す相棒がいて……みたいな感じになれば楽しいだろうなと」。構想は、仮想現実に取り残されたAIたちを描いた初の長編「グラン・ヴァカンス」(2002年)の刊行前からあったという。

思惑通りにいかず

 同作から始まる「廃園の天使」シリーズを完結させてから「ゆっくり楽しもうと思っていた」が、続編の執筆に難航。「一文一文にこだわりすぎる書き方をしていると、いつまで経っても進まない。筆がすいすい走るような小説を書いて、助走を付けようという魂胆があったんです」

 しかし、それも思惑通りとはい…

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