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 米科学誌サイエンスが読者の投票で選んだ2017年の革新的科学ニュースのトップは遺伝子治療でした。遺伝子の異常で筋肉が萎縮し、生後約1年で呼吸ができなくなって人工呼吸器が必要になる「脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう)(SMA)Ⅰ型」の子ども15人に遺伝子治療を実施したところ、全員が20カ月後に生存しており、高濃度治療を受けた12人中11人は自力で座ったりしゃべったりできたのです。

 国立成育医療研究センターの小野寺雅史・成育遺伝研究部長は「最新の治療薬でも4カ月に1度、髄液中に投与する必要があります。遺伝子治療なら1回の投与で最低約2年は効果が続くとわかりました。患者さんには大きなメリットです」と言います。

 遺伝子治療は、異常のある遺伝子の働きを補う遺伝子を体内に入れる治療です。半世紀近く前に概念が提唱され、1990年、重い免疫不全になる「ADA欠損症」の女児に世界で初めて実施されました。当初は主に遺伝病を対象に試験的に実施されていました。

 それがここ数年、欧米では医薬…

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