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 新酒がもてはやされる日本酒にも、ワインのように醸造から数年を経た古酒がある。ふつう賞味期限は製造から1年ほどとされているが、実際にはその後も飲めるのだ。それどころか、時間とともに、新酒には無い深い深い味わいに変化する場合もある。

 ずらりと棚に並んだ瓶に入った液体の色は様々だ。薄い黄色、ホットケーキにかけるシロップのようにこっくりとしたあめ色……。

 岐阜市北東部の田園地帯の中にたたずむ白木恒助商店は、「達磨(だるま)正宗」などの銘柄をつくる酒造会社だ。新酒としてはほとんど出荷せず、3年以上、大切に熟成した上で古酒をつくる、珍しい酒蔵だ。

 古酒づくりのきっかけは、1960年代のテレビの普及だった。大手がコマーシャルをがんがん流し、全国に広がっていった。「このままでは小さい蔵はつぶれてしまう」。6代目の白木善次さんは、危機感を抱き、古酒造りに乗り出すことにした。

 現在、同社に残る最も古い酒は71年に製造されたものだ。100種類を超える古酒を保存しており、75年以降製造のものを常時販売している。

 「両親の結婚記念日に」「成人式に誕生年の古酒を」と贈答用が中心だったが、最近では海外からの引き合いが増えた。欧米やアフリカなど、約10カ国に輸出している。ワインなどで古酒に対する理解があるのだ。7代目の白木滋里(しげり)さんは、「今から慌てても造れない商品。先代のころから時間をかけて残した古酒は宝物だ」と話す。

時とともに味はどう変わるのか。明治時代に一度消えた古酒が復活したのはなぜか。記事では、東京・新橋にある古酒の専門店をたずねました。古酒にぴったりの料理やおつまみも紹介しています。

 実は江戸時代までは、日本にも…

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