木下こゆる
男女雇用機会均等法の成立から4年後の1989年、「待ってるだけのお姫さまはもう古い!」のキャッチコピーで横浜市の女性たちが発刊し、その後絶版状態になっていた児童書「アリーテ姫の冒険」が、今月復刊された。いまだ男女差が残る社会の中、復刊に携わった人たちは「あなたはあなたらしく生きていいよ」と再び子どもたちに伝えたいという。
同書は、イギリスの小学校教師ダイアナ・コールスさんが83年に出版した。宝石と引き換えに魔法使いと結婚させられた「賢い」王女アリーテ姫が、王子様の助けを待つのではなく、魔法使いが出す三つの難題を自ら解いていく物語だ。
出版翌年、海外研修でロンドンを訪れた横浜市在住の女性のグループが同書を手に取った。「子どもにもわかるフェミニズムの本だ」と持ち帰り、日本の出版社を回るも、「賢い女の子ではウケない」「お姫様は金髪の美人でないと」と難航した。
だが、89年、女性の就労支援…
残り:950文字/全文:1334文字
【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら
速報・新着ニュース
あわせて読みたい