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 岐阜市椿洞の市畜産センター公園で、豚2頭から豚コレラウイルスの陽性反応が出た。9月に市内の養豚場で確認されて以降、豚への感染は2例目。周辺で野生イノシシへの感染が相次ぎ、養豚場に電気柵を設置するなどの対策を講じてきたが、拡大防止の難しさが浮き彫りになった。

 市畜産センター公園は、市民が動物と触れ合える憩いの場で、豚は出荷もされている。岐阜県などによると15日午後、獣医師から「豚の元気がなくなり、熱が出ている」と県中央家畜保健衛生所に連絡があった。県の検査で陽性と判定され、16日未明から防疫措置に着手した。

 防護服を着た作業員らが消毒用の石灰を公園内にまき、午前6時20分ごろまでに残る全21頭を殺処分し、敷地内に埋却した。午前8時半ごろには臨時休園を告げる放送が流れ、駐車場につながる道路では市職員が車の出入りを制限した。公園は23日まで休園する。

 県は、公園の豚が出荷される食肉処理場に受け入れ自粛を要請し、半径10キロ圏の豚や飼料などの搬出を制限した。圏内には八つの養豚場があり、計約8600頭が飼育されている。10キロ圏外も含め、同じ食肉処理場を利用するなどの接点がある19養豚場には、立ち入り検査と1日2回の状況報告を求める。

周辺での野生イノシシへの感染相次ぐ

 県内では9月9日、国内で26年ぶりとなる豚コレラが岐阜市の養豚場で確認された。今回発生した公園からは南東に約8キロの距離にある。さらに周辺で野生イノシシの感染が次々と見つかり、今月14日現在で49頭にのぼる。岐阜県と隣の愛知県では、狩猟を禁止する自治体も相次いでいる。

 岐阜県は養豚場に野生イノシシが侵入しないよう、電気柵を貸し出したり、丈夫なワイヤメッシュ柵の設置費を助成したりした。畜産センター公園では豚舎周辺を立ち入り禁止にして、入り口に石灰を散布。夜行性の動物を遠ざけるために光るロープを周囲に張り、高さ1メートルのベニヤ板でバリケードを作った。電気柵も二重に設置していた。

 16日夜、国の検査でこれまで県内で見つかっているウイルスと同じ型であることがわかった。市によると、公園内にイノシシに柵を壊された跡はなく、イノシシのフンなども見つかっていないという。岐阜市の後藤和弘・都市建設部長は「できる限りの対策を行い、イノシシと接触しない環境が確保できたと思っていたのに」とショックを隠せずにいる。(板倉吉延、室田賢、山野拓郎)

岐阜県の豚コレラを巡る経過

9月9日 岐阜市の養豚場で豚コレラを確認

  11日 発生農場の豚の埋却処分などの防疫措置が完了

  13日 県が死亡や捕獲した野生イノシシの感染確認検査を開始

  14日 岐阜市内で死んだ野生イノシシ1頭から陽性反応

  18日 県が養豚場などに野生イノシシの侵入を防ぐ電気柵の貸し出しを開始

  29日 発生農場から半径10キロ圏の搬出制限を解除

     各務原市で野生イノシシに陽性反応。岐阜市外で初めて

10月10日 発生農場から半径3キロ圏の移動制限を解除

  19日 県内17市町で、11月1日のわな猟解禁を延期

11月1日 可児市で陽性の野生イノシシが見つかり、初めて木曽川を越える

  14日 野生イノシシの陽性確認が49頭に

  15日 猟銃を含む狩猟が解禁。岐阜県内20市町と愛知県内3市では禁止