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 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改正案の衆院での審議がストップした。政府がまとめた関連データに誤りが見つかったことが影響した。来年4月の新制度導入に向け、政府与党は今国会での成立を目指しているが、問題点が次々と明らかになっている。

 「致命的なミス、許しがたい改ざん。法案の根幹部分がひっくり返った」

 16日、衆院法務委員会の理事懇談会の後、立憲民主の山尾志桜里理事は記者団に不満をぶちまけた。

 理事懇談会では、技能実習生の失踪をめぐる調査結果が誤りだったことが法務省から説明された。山尾氏を始め野党各党は、政府側に誤りの経緯の解明を主張。しかし、葉梨康弘委員長(自民)は理事懇談会を打ち切り、入管法改正案の審議に入ろうとした。

 野党側は態度を硬化。立憲の辻元清美国会対策委員長は自民党の森山裕国対委員長に審議入りの見送りを迫ったが受け入れられず、葉梨氏の委員長解任決議案の提出に踏み切った。

 与野党対立の焦点となった調査結果は、受け入れ先から失踪し、昨年に不法滞在で強制送還の手続きがとられた実習生ら2870人から聞き取ったものだ。

 失踪の動機について、政府はこれまで、「より高い賃金を求めて」が約87%で最多だと説明していた。

 7日の参院予算委員会では共産・小池晃氏の「技能実習生の失踪の理由は何か」との問いに対し、山下貴司法相は「賃金への不満が約87%だ」と答弁。野党ヒアリングでも同じ数字が示されていた。

 だが16日の法務省の説明では、聞き取り段階では「より高い賃金を求めて」という質問項目はなく「低賃金」という項目だったことや、割合も67・2%の誤りだったことが報告された。また法令違反にあたる「契約賃金以下」が144人、「最低賃金以下」が22人いた。

 ほかにも「指導が厳しい」が5・4%から12・6%に、「暴力を受けた」が3・0%から4・9%に増えた。実習内容が入国前の説明と異なったり、受け入れ側に不適正な取り扱いを受けたりしたことを訴える声も少なくないことが明らかになった。

 数字の誤りについて、法務省は「エクセルファイル上のデータの切り貼り作業中に必要な作業を忘れた」「類似のチェック欄に複数チェックしていた」「項目設定が適切でなかったことや担当者の理解不足」などと集計ミスを強調する。だが野党側は法務省が受け入れ先に問題があるのを隠すために意図的にデータを改ざんした疑いがあるとみている。葉梨康弘委員長(自民)は、法務省に対して誤りの原因を調査し、早急に報告するよう求めたことを記者団に明らかにした。

 政府が新在留資格で見込む人数は、2019年度からの5年間で最大約35万人。業種によってばらつきはあるものの、このうち5割程度は技能実習生からの移行が想定され、技能実習制度は新制度と密接に関係する。野党側は、技能実習制度の問題を検証せずに改正案を審議することを問題視している。19日には、調査結果の元データとなった個表を閲覧し、さらに検証を進める考えだ。(浦野直樹、永田大)

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