クレカ、増税対策の負担どこに VISAは「関係ない」

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榊原謙 久保智
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 来秋の消費増税の負担軽減策に、クレジットカード業界が苦悩している。政府は増税対策のポイント還元のためカード決済を広げる考えで、カード業界へ小売店などに向けた手数料の引き下げを求めた。一方で、カード会社が負担する国際ブランドのネットワーク使用料などは減らない見込みだ。増税対策はカード会社のコスト増になり、結果的に利用者へのサービス低下につながりかねない。

 クレジット決済は、利用者が店でカードを使い、代金はカード会社が立て替え払いし、後で代金を請求する。利用者は現金なし(キャッシュレス)でモノを買え、店は顧客を増やせる。カード会社は店から手数料を得る。野村総合研究所とSMBC日興証券の調査では、手数料率は店の信用力などに応じ1~5%台が多い。

 増税対策の焦点がこの手数料だ。経済産業省はカード払いの代金の2%をポイントで還元し、増税負担を和らげようとしている。そのためにはカード払いできる店が多い必要があるが、手数料負担を嫌う店も多い。経産省はカード業界に手数料率を「上限3・25%程度」まで下げることを求め、カードが利用できる店を増やそうとしている。

 しかし、カード会社はシステムの維持・運営費や、海外でも使える「VISA(ビザ)」などのブランドや決済ネットワークの使用料を負担している。政府の要請を受け入れれば、相対的にコスト負担は増す。

 使用料が下がればカード会社…

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