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 24日投開票の台湾の統一地方選で、蔡英文(ツァイインウェン)総統率いる与党民進党が「中国がインターネットなどを通じて選挙戦に介入している」と訴えて有権者の支持につなげようとしている。実態は不明だが、米国も中国発のフェイクニュースのリスクを指摘。中国政府は「捏造(ねつぞう)だ」と反発している。

 「中国の『ネット部隊』が台湾に侵入している」。民進党が19日に公開した選挙用の宣伝動画は、中国側がネットにデマなどを流して、台湾世論を誘導しようとしていると主張し、注意を呼びかける内容だ。

 危機感の背景には、民進党の地盤である南部の高雄市長選で、野党国民党の韓国瑜候補が支持を広げていることがある。

 韓氏がネット動画を載せると、多い時は100万を超す視聴がある。一方、韓氏を批判した民進党関係者のフェイスブックには100万超の批判などが届く。民進党候補を非難する怪情報も流れた。こうした現象を台湾メディアが報じ、更に話題が広がっている。民進党は18日の高雄の選挙集会でも「中国が介入している。台湾の民主主義の危機だ」と訴えた。

 米国の対台湾窓口機関、米国在台湾協会(AIT)のモリアーティ会長も今月、台湾メディアの取材に「(中台は)同じ言語を使っており、台湾はフェイクニュースのリスクが最も高い」と指摘した。ただ、具体的な証拠は明らかになっていない。

 中国の対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の報道官は14日の記者会見で、中国側が介入しているとの見方について、「民進党は(中国への)敵意をあおり、選挙戦で利益を得ようとしている。まったくの捏造だ」と反論した。(台北=西本秀