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 日産自動車、ルノー、三菱自動車の日仏自動車大手3社で会長を務めて経営を束ね、剛腕経営者として世界的に知られたカルロス・ゴーン容疑者(64)が逮捕された。

 ゴーン会長の役員報酬は国内の上場企業の中でもトップクラスだ。東京商工リサーチのまとめでは、役員報酬の開示制度が始まった2009年度に日産から受け取った報酬は8億9100万円で、上場企業でトップ。その後も毎年10億円前後の報酬を受け取り、16年度まで8年連続でトップ10に名を連ねた。

 今回の逮捕容疑は、この間の5年間に届け出た報酬額が虚偽であり、実際はその倍近い報酬を日産から受け取っていたとされる。

 17年度は、社長兼最高経営責任者(CEO)を退いたことで日産からの報酬は7億円超に減らしたものの、新たに三菱自動車の役員報酬が加わり、合計で10億円近くを受け取った。

 これとは別に、同じくCEOを務める仏ルノーからも年9億円超の報酬を受けており、1年で総額20億円前後を稼いでいる計算だ。

 ただ、その報酬水準をめぐり、株主から「高すぎる」とたびたび批判されてきた。

 今年6月の日産の株主総会。株主の一人が無資格検査問題を取り上げ、ゴーン会長の高額報酬が「責任を取ったことになるのか分からない」などとただした。

 総会でゴーン会長は日産の報酬水準について「優秀な人材をつなぎとめるため、競争力のある報酬が求められている」と強調。世界的な自動車会社のCEOの報酬が20億円近くにのぼることなどを挙げ、理解を求めた。

 2年前のルノーの株主総会では、前年のゴーン会長の約725万ユーロ(約9億4千万円)の報酬案に54%が反対。当時の報道によると、ルノーの筆頭株主である仏政府も報酬案に反対を投じたとされる。報酬案に対する株主総会の議決に拘束力がなく、株主の間に不満が強まった。ルノーは16年7月、ゴーン会長の報酬のうち業績に連動するボーナス相当分の引き下げなど報酬体系の見直しを発表した。

 今年6月の株主総会でもゴーン会長の報酬案に43%が反対した。