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 東京・銀座や福岡・小倉の繁華街で多数のテナントビルを展開した「丸源グループ」の脱税事件で、法人税法違反の罪に問われたグループ経営者・川本源司郎被告(86)の判決が20日、東京地裁であった。前田巌裁判長は「強固な犯意に基づき、したい放題に売り上げや経費を操作した」と述べ、懲役4年、罰金2億4千万円(求刑・懲役5年、罰金3億円)を言い渡した。

 判決によると、川本被告は社長を務めた不動産会社「東京商事」=清算=について、2009~11年の所得計約35億4300万円を隠し、法人税計約10億6千万円を免れた。

 弁護側は、同社が運用していた31物件の賃料収入は川本被告個人に帰属するため、「法人税法違反ではなく、所得税法違反にあたる」などと争い、無罪を主張していた。判決は、川本被告と同社の間では、全ての収益を同社が受け取る契約が結ばれていたと指摘し、収入は同社に帰属すると認定した。

 判決はさらに、脱税の手口が売り上げの一部除外や架空の固定資産売却損の計上など、多岐にわたっていると指摘。被告の年齢や修正申告したことを考慮しても「実刑は免れない」と結論づけた。

 川本被告は1963年ごろから貸しビル業を始めた。一時は銀座、小倉や、静岡県熱海市、福岡市などで「丸源ビル」といった名前を付けた60ほどのビルを所有し、「銀座の不動産王」と呼ばれた。12年に東京国税局が強制調査(査察)に入り、13年に東京地検特捜部が逮捕・起訴した。初公判は同年6月に開かれたが、弁護団が何度も代わり、主張や証拠の整理をし直す手続きに時間がかかっていた。(阿部峻介)