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 来年10月に迫った幼児教育・保育無償化を前に、地方自治体が警戒感を強めている。無償化の財源について、政府が地方に負担増を求めることが分かってきたためだ。影響として、7割の自治体が「待機児童対策や保育の質確保などに悪影響がある」と答えたとする調査結果を、保護者団体が21日、明らかにした。

 無償化は、昨秋の衆院選の際、安倍首相が目玉として掲げた。以来、財源の負担割合については明らかにしてこなかったが、今月14日、内閣府は、私立保育所・幼稚園の運営費は国が2分の1、都道府県と市町村が各4分の1、公立保育所・幼稚園は市町村が全額という案を示した。全額国費でなく地方にも「持ち出し」が発生することについて、地方自治体から反発の声が上がっている。

 こうした財政負担について、保育園児の保護者らでつくる「保育園を考える親の会」は、東京、千葉、埼玉、神奈川の主要市区と、政令指定市の計100市区に緊急アンケート。20日時点で回答を寄せた36市区の中間集計をとりまとめた。

 自治体に負担を求める幼保無償化への賛否を尋ねたところ、回答34市区のうち、賛成はゼロで、反対が14自治体(41%)。20自治体(59%)が「無償化より優先してほしい政策がある」と回答した。

 自治体負担が発生することで、、回答36市区のうち、24自治体(67%)が保育行政への悪影響を与えると回答。財政を圧迫することで「待機児童対策に悪影響」「保育の質確保策に悪影響」「公立保育所の予算確保が難しくなる」などが上がった。

 調査した普光院亜紀代表は「待機児童対策、質の確保などのために予定していた財源も無償化に使わされてしまうのは、自治体にとっても、その住民である保護者、子どもにとっても、大きな損失だ」と指摘。「何もかも未定のままで開始時期が迫り、現場は混乱している。まずは延期を決定し、自治体や園などから現場の声をよく聞くことが必要だ」と述べる。