聞き手・石川雅彦
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入試不正問題や医師の働き方について話す(左から)佐藤さん、福与さん、倉片さん=東北大学病院、福与さんは希望により後ろ姿
東京医科大学の入試で女性や多浪生が不利になる得点操作が行われていた問題を機に、女性医師の働き方に注目が集まっている。東北大学病院の福与なおみさん(46)、佐藤章子さん(43)、倉片三千代さん(42)は出産や育児を経験し、現役医師として働いている。3人に入試不正問題や働き方について聞いた。(聞き手・石川雅彦)
福与なおみさん 小児科医。高校生、中学生、小学生の3児の母親。46歳
佐藤章子さん 外科医。中学生と小学生の2児の母親。43歳
倉片三千代さん 産婦人科医。5歳、4歳、1歳の3児の母親。42歳
――今回の東京医大の入試不正問題をどう考えますか。
佐藤 許されることではないが、女性医師の出産後の就業率の低さを見ると、一理あるとの思いはある。医師になって10年後に、女性の25%が就業していないという数字もある。ただ、出産、育児の関係で女性医師支援ばかりが取り上げられているが、今回の問題が、医師全体の労働環境の改善や働き方改革を考えるきっかけになればよいと思う。
倉片 基本的に女性受験者への減点などあり得ないし、憤りを感じる。ただ、事前に大学側が男性や現役生の優遇を公表していたなら、批判は避けられないが理解できないこともない。私は産婦人科医で、赤ちゃんがいつ生まれるかわからない現場。女性が増えると労働時間や勤務シフト面で不公平感が出てくるとは実感している。
福与 私も2人の意見と同じだ。医師個人の努力と善意に支えられている現状の医療体制の改革が、まず議論されるべきだ。それなのに、出産や育児で休職や労働時間の短縮をせざるを得ない女性医師を減らすことで解決しようとしているように思え、悲しい。
■「役に立たない」と思い、…
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