所有しない人生を選んだ希林さん、死の枕元にかけた仏画

有料記事

山内深紗子
[PR]

 「死ぬときぐらい好きにさせてよ」「生きるのも日常、死んでいくのも日常」――。独特の死生観で多くの共感を呼び、9月に75歳で亡くなった俳優樹木希林さんには、本名の「内田啓子」で私信を交わしてきた37年来の友人がいた。ふたりのやり取りからは、晩年の希林さんがたどり着いた境地の一端が浮かび上がる。

 「うらを見せおもてを見せてちるもみぢ」

 江戸時代後期の僧、良寛の辞世の句だ。希林さんと長年の友人で、何必館(かひつかん)・京都現代美術館長の梶川芳友さん(77)はしばしばこの句について語り合ったという。

 希林さんはこう語った。「裏…

この記事は有料記事です。残り2031文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料