静岡)金箔瓦の一般公開始まる 駿府城公園
矢吹孝文
静岡市は22日、葵区の駿府城跡の発掘調査で新たに見つかった豊臣秀吉が築造させたとされる天守台の石垣と、その近くで発掘された金箔(きんぱく)瓦の一般公開を始めた。
発掘現場ではこの日から従来の見学コースを東側に拡大。家康の天守台の下から出土した、秀吉が家臣の中村一氏(かずうじ)に造らせたとされる石垣を間近で見られるコースを新設した。秀吉時代の堀から出土した金箔で飾られた屋根瓦も、発掘情報館「きゃっしる」と駿府城公園の南西部にある坤櫓(ひつじさるやぐら)で展示している。
午前9時の公開と同時に現場を訪れた葵区の望月則夫さん(72)の曽祖父は明治時代に、家康の天守台を解体する工事に従事したという。父親からは「石を崩して堀を埋めた。あそこを掘れば値打ちものが出てくる」と伝え聞いた。望月さんは、家康によって埋められた秀吉の石垣を見て「負けた人の痕跡は消される。敗者は浮かばれないということがよくわかる」と語った。
同市清水区の高橋正一さん(…