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【まとめて読む】患者を生きる・食べる「食道がん」

 今年3月、食道がんが見つかった横浜市泉区の女性(69)は、かなり進行した状態のため手術はできず、抗がん剤と放射線治療を受けることに。「医師として活躍する息子の姿を見続けたい」。来春に卒業を控える医学生の長男(25)の存在を支えに病気と闘い続けています。

お酒もタバコもしない私が? 突然の告知

 いつもと変わらない夕食のはずだった。今年3月、横浜市泉区の女性(69)は突然、胸がつまるような感じがして、食べられなくなった。「おかしいな」と思った。

 同じような症状が1週間に3回ほど続いた。「何かの病気なのではないか」と不安になった。夫(72)に症状を訴え、市内の病院で胃カメラ検査を受けた。

 3月下旬、検査結果を聞きに行くと、医師から告げられた。「食道がんです。精密検査を受けてください」

 食道がんは、60~70代の高齢の女性より男性に多い。主な原因として飲酒と喫煙が挙げられる。しかし、女性はお酒は夏の暑い日にビールを少し飲む程度で、夫婦はともにたばこは吸わなかった。「まさか自分が」。言葉も出なかった。

 若いころはピアノ教室の講師を務め、44歳で長男(25)を出産してからは、家事代行の仕事をしてきた。子どもが生まれてから、かぜなどほとんど病気をしたことがなく、健康には自信があった。仕事が忙しく、病院もあまり好きではなかったため、がん検診には行っていなかった。

 「食道がんだったのよ」。病院を出た後、夫に泣きながら電話した。驚いた夫も「大丈夫か」と声をかけるのが精いっぱいだった。

 帰宅すると夫が「大丈夫だよ」と抱きしめてくれた。少しずつ気持ちが落ち着いていった。ショックだったが「くよくよしても仕方ない」と気持ちを切り替えた。

 食道がんの症状は、女性のように食べ物を食べたときの胸のつかえや違和感などがある。ただ、早期だと自覚症状がないことがほとんどで、症状が出るころには進行しているケースが多い。

 食道の壁の内部や周りには血管やリンパ管が多くあり、がんができると血液やリンパ液の流れにのってがん細胞が転移しやすい。

 都内の病院に翌日入院し、精密検査を受けた。CT検査の後、夫が医師から別室に呼ばれ、画像を見せられた。女性のおなかのリンパ節に、食道がんから転移した6センチを超える腫瘍(しゅよう)が映っていた。

 「治療せずに放っておけば、あと3~4カ月の命です」と、医師は告げた。

 

おなかに転移したがん、抗がん剤で小さく

 今年3月、食道がんが見つかった横浜市泉区の女性(69)は、東京都内の病院に入院して精密検査を受けたところ、おなかのリンパ節に食道がんから転移した、6センチほどのがんが見つかった。今後、がんが食道をふさいで食べられなくなる恐れがあるため、おなかに小さな穴を開けて管で栄養を入れる「胃ろう」をつくることになった。

 がんの状態を詳しく調べるため、別の病院でPET(陽電子放射断層撮影)検査を受けた。入院先に帰る途中、「お母さん、桜見に行こう」と長男(25)に誘われた。長男は医師を目指して岡山県内の大学に通う。がんと知って駆けつけてくれた。近くの千鳥ケ淵で満開の桜に元気をもらった。長男はお守りも買ってくれた。

 4月、慶応大学病院(東京都新宿区)で治療を受けることになった。同病院腫瘍(しゅよう)センターの浜本康夫(はまもとやすお)副センター長(47)から進行した食道がんと、初期の咽頭(いんとう)がんだと告げられた。「こんながんが自分の体にあるなんて」と驚いた。浜本さんは「状態は良くないが、できるだけ苦しい思いをせず、口から食べられるようにするので頑張りましょう」と話した。

 食道がんの治療は、内視鏡によ…

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