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 旧本庄商業銀行の煉瓦(れんが)倉庫(埼玉県本庄市銀座1丁目)がユネスコのアジア環太平洋文化遺産保全賞を受賞した。この賞はアジア各地の築50年以上の建造物の10年以内に行われた保存事業が対象。最優秀賞、優秀賞に次ぐ功績賞3点の一つに入った。

 倉庫は本庄の周辺で絹産業が盛んだった1896(明治29)年に銀行が担保として預かった繭を保管するために建てた。屋根は「キングポストトラス」という三角形を基本とした構造で、柱のない大きな空間(313平方メートル)を確保することができた。店舗として使われていたが、2011年に同市が敷地を合わせ約5千万円で購入し、早稲田大学などと研究調査。れんがは渋沢栄一が設立した日本煉瓦製造(深谷市)製で東京駅のれんがと同じ工場でつくられたこと、清水建設の前身の清水店がつくったことなどがわかった。

 本庄市が2年間、2億8千万円をかけて耐震補修を行い、昨年4月から1階は無料の交流スペース、2階は有料の多目的ホールとして使われている。ユネスコは「徹底的な研究に基づいた体系的な保存法により、かつて繁栄した絹産業の関連建物に新しい命を与えた」と評価した。(坂井俊彦)