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(23日、大相撲九州場所13日目)

 貴景勝が好調の碧山を退けて1敗をキープ。ただひとり2敗を守った高安と、14日目に直接対決に臨む。隠岐の海が10勝目。栃煌山、玉鷲、琴奨菊、遠藤、明生が勝ち越した。栃ノ心は7勝目で白星を先行させたが、御嶽海は7敗目。

高安「いい気持ちであすへ」

 中入り前。審判部は「高安―貴景勝」の大一番を、14日目に組み込んだ。千秋楽に組む手もあるが、それまでに星の差が開いては困る。阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「(14日目の方が)緊張感があるのではないかという判断」。

 もくろみは、当たった。

 結びで高安が大栄翔を押し倒し、首位の貴景勝を1差で追う構図を守った。「前に出られた。いい気持ちで明日に臨める」と高安。ファンの関心をつなぐ白星に、八角理事長(元横綱北勝海)も「大関として仕事をした」とご満悦だ。

 ここぞで引いてしまう悪癖もこの日はなく、「先手先手を取って全開でいけた」。3横綱、1大関が休場する年納めの九州で、「横綱、大関で唯一優勝がない」という、不名誉な枕ことばを取り払いたい。

 一方、追われる立場の貴景勝は碧山との押し合いを制した。「気持ちでいけた」と自己最多の12勝目。未知の世界に足を踏み入れても、そのふてぶてしい表情を崩すことはなかった。

 貴乃花親方(元横綱)の退職で、千賀ノ浦部屋に転籍して迎えた場所。この1年、土俵外の雑音に囲まれながらも「相撲を頑張るしかない」と己に向き合ってきた。元師匠譲りの精神力を発揮する22歳は、「(気持ちが)高ぶるのは当たり前。準備して、しっかりやるだけ」と力を込めた。

 若武者が一気に初優勝をつかむのか、大関が千秋楽までもつれさせるのか。舞台は整った。(金子智彦)