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(23日、フィギュアスケート・フランス杯女子SP)

 シニア1年目、16歳の経験の浅さがわずかにのぞいた。「(第1グループ最後の)6番滑走で、体が動く状態ではできなかった」。紀平梨花(関大ク)が残念そうに振り返ったのは、演技冒頭だった。

 滑り出した時、ウォームアップの6分間練習が終わってからすでに30分以上が過ぎていた。十分ほぐしたはずの体が思うように動かない。冒頭の3回転半(トリプルアクセル)ジャンプの踏み切りに失敗。1回転半となり、規定によって無得点となった。代名詞になりつつある大技であり、大きな得点源でもあるだけに「すごく悔しい」。

 だが、失敗を一切引きずらないところに非凡さが透けて見えた。その後のフリップ―トーループの連続3回転、後半に組み込んだ3回転ルッツは完璧な着氷で、いずれも1点台の出来栄え点(GOE)を引き出す。計三つしかないジャンプ要素の一つが0点にもかかわらず、2位でまとめた。

 今大会4位以内なら、12月のグランプリ(GP)ファイナル(カナダ・バンクーバー)出場が決まる。ただ、めざしているのはもっと上。2週間前のNHK杯ではSP5位ながら、フリーで大逆転した経験もある。「フリーでしっかり確認すれば、何とかなるという気持ち」。SP首位の三原舞依(シスメックス)との差はわずか0・31点。3回転半の成功とGP2連勝へ。逆転を誓ってフリーに向かう。(吉永岳央)