「反抗すれば24時間立ち続け」ウイグル収容施設の実態

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 中国新疆ウイグル自治区で少数民族の住民らが「再教育施設」に収容されているとされる問題で、施設で拘束されていたというカザフスタン国籍の男性が23日、東京都内で講演し、「地獄のような弾圧を受けた」と経験を語った。

 男性は、同自治区出身でウイグル人とカザフ人の両親を持つオムル・ベカリさん(42)。2006年にカザフ国籍を取得し、カザフ国内で旅行会社に勤めていたオムルさんは実家に立ち寄った昨年3月、突然拘束されたという。施設に連行され、国家分裂罪など三つの罪を認めるように迫られた。カザフ国民であることを伝え、大使館や弁護士と連絡をとるよう訴えたが、拒否されたと訴えた。

 オムルさんによると、施設では小さな窓しかない部屋に数十人が押し込まれ、睡眠や食事のほか、排泄(はいせつ)もこの部屋でするよう命じられた。

 午前4時前に起床し、党の政策を学んだり、党をたたえる歌を歌ったりした。食事の時間などをはさみ、学習は日付が変わるまで続いたという。習近平(シーチンピン)国家主席共産党への感謝を述べるよう強いられ、イスラム教を否定するような発言やイスラム教が禁じている豚肉を食べるよう命じられることもあったという。

 オムルさんは「反抗的な態度をとると、鎖で手足を縛られたまま壁の前で24時間立ち続けるなどの罰があった。収容者の中には衰弱して死亡する人もいた」などと語った。

 オムルさんはカザフ大使館の働きかけで8カ月後に解放されたが、多くの親族が拘束されたままで、父親は今年9月、施設内で死亡したという。

 「中国政府が主張するような教育の場所ではなく、民族浄化のための施設だ」と時折、涙を流しながら訴えた。

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